1.IVS1+123G/A多型領域周囲に結合する転写因子の同定 IVS1+123G/A多型領域周囲に結合する他の共役因子の検索をおこなった。IVS1+123G/A多型領域の5'上流側と3'下流側にプローブを作製し、ゲルシフトアッセイを行ったが、結合する転写因子は無かった。IVS1+123G/A多型領域を含んだ80bpのプローブを作製し、ゲルシフトアッセイをおこなったところ、複数のバンドが確認され、一つが転写因子GATA-1であることを、スーパーシフトアッセイで確認した。今後、YY-1とGATA-1の相互作用を検討する。 2.IVS1+123G/A多型のTNFα遺伝子転写活性化に対する影響の検討 転写活性化に対する影響を検討するため、ルシフェラーゼレポーターアッセイをおこなった。ルシフェラーゼアッセイ用に、pGL3-basic vector(Promega)のマルチクローニングサイトに、PCRで増幅したTNF-α遺伝子のプロモータ領域を挿入し、さらにその上流にIVS1+123G/A多型それぞれを含む塩基長の異なる3種類のイントロン1領域を挿入したレポータベクターを作製した。U937細胞株に導入し活性の変化を、高血糖や炎症反応の負荷の有無等で検討したが、多型によって変化はことができなかった。pGL3-SV40 promoterベクターにて同様に実験を行ったが、同様であった。YY1の発現プラスミドをU937細胞株に共発現させレポータ解析をおこなったが、これでも明らかな活性の変化を確認できなかった。今後は細胞株を変えて検討を行う。 3.IVS1+123G/A多型の生体の影響の検討。 IVS1+123G/A多型の生体に対する影響を検討するため、舟形町住民検診で保存した血清を提供いただき、TNF-aが影響を与えるアディポネクチンの測定を行った。239名の測定を行い今後も測定を続ける。
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