糖尿病性末肖神経障害と同足部潰瘍症例へ浸襲性の低い自家末梢血単核球細胞分画移植治療 対象:明らかな慢性閉塞性動脈硬化症を認めない難治性の糖尿病性下肢末梢神経障害および足部潰瘍、各種内服、点滴静注などの既存の薬剤、免荷や局所の処置にてコントロール不能でQOLが障害されている症例。 性別:男性および女性(妊娠中および妊娠の可能性のある女性を除く) 年齢:原則として20歳以上80歳未満。 適応除外事項:悪性新生物を有する患者及び3年以内にその既往のある患者、糖尿病性網膜症不安定期の患者、インフォームドコンセントを得られない患者、その他主治医が不適当と判断した患者。 今年度(平成18年)上記の治療に適応となりそうな症例を2例認めたが最終的には移植治療を行えず、自家末梢血単核球細胞分画移植治療の効果を検討することが出来なかった。移植を行えなかった理由を以下に示します。 ・1例目 難治性糖尿病性足潰瘍の症例:皮膚科入院中(約3ヶ月)に安静(免荷の抑制)・プロスタグランジン製剤の治療で軽快した。 ・2例目 難治性糖尿病性末梢神経障害の症例:糖尿病性末梢神経障害に対するあらゆる治療(血糖コントロール・アルドース還元酵素阻害薬・ビタミンB12・プロスタグランジン製剤・メキチシレン・3環系坑うつ薬)を行ったが、両下肢の痺れが軽快しなかった。移植療法についてインフォームドコンセントを行ったが同意を得られなかった。 平成19年4月現在、糖尿病性末梢神経障害へ浸襲性の低い自家末梢血単核球細胞分画移植治療に適応となりそうな症例を1例確保している。今後移植の除外項目に該当しないことを確認し、インフォームドコンセントが得られれば移植を行う予定である。
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