nuclear receptor corepressor(N-CoR)のdeacetylase activating domain(DAD)ペプチドを用いてhistone deacetylase(HDAC)3の選択的阻害剤作製のため、N-CoR/HDAC3の結合を阻害するDADフラグメントの検討を行った。核移行シグナルを付けたDAD(92amino acid)を発現するmyc-tag発現ベクターmyc-nuc-DADとpoint mutationによりHDAC3との結合能のないと予想される発現ベクターmyc-nuc-mutDADを作製した。HeLa細胞にこれらの発現ベクターを遺伝子導入し抗myc抗体で免疫沈降を行うと、myc-nuc-DADではHDAC3が免疫沈降されるが、myc-nuc-mutDADではHDAC3が免疫沈降されなかった。このことからDADフラグメントでも細胞内でのHDAC3との結合は保たれており、現在DADフラグメントにより内因性のN-CoRとHDAC3の結合をどの程度阻害できるか検討中であり、更にDADフラグメントを短くしDADペプチドのデザインを検討している。またDADフラグメントのHDAC3阻害作用を検討するために、酵母転写因子であるGAL4のDNA結合ドメインにN-CoRを接合したGAL-N-CoRを用いてルシフェラーセアッセイにて検討した。HeLa細胞においてGAL-N-CoRはGAL4応答配列のあるUAS-tkプロモータ0活性を抑制するが、myc-nuc-mutDADを共発現することによってGAL-N-CoRの転写抑制能を阻害できることが確認できた。
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