研究概要 |
骨髄腫細胞と骨髄微少環境との相互作用の解明を目的として、細胞間接着分子であるCadherin系に着目して研究を行った。まず、多発性骨髄腫の細胞株においてN-cadherinの発現をRT-PCRにより確認した。12種の細胞株中7細胞株においてN-cadherinの発現を認めた。Western bolt法においても上記7種の細胞株中6細胞株において蛋白レベルでの発現を確認した。またN-cadherinの細胞内結合タンパク質であるα,β,p120-cateninについてもRT-PCRにて確認したところ12細胞株中10細胞株においてα,β,p120-cateninの発現を認めた。この結果よりN-cadherin以外のCadherin superfamilyの機能が示唆されたため、type I CadherinであるE,P,R-cadjerinおよび骨髄腫細胞のストローマ細胞である骨芽細胞、破骨細胞において発現が知られているtype II Cadherin (Cadherin-6, Cadherin-11)についてもRT-PCRを行ったところ、それぞれ3種類の細胞株においてE-cadjerin,およびCadherin-11が発現し、E-cadjerinはN-cadherinと共発現し、Cadherin-11はN-cadherinと相補的に発現していた。またN,E-cadjerin及びCadherin-11についてその全長をRT-PCRによりクローニングし配列を確認したがmutationは認められなかった。
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