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2007 年度 実績報告書

T細胞レセプター遺伝子導入による造血器腫瘍に対する免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18790653
研究機関愛媛大学

研究代表者

東 太地  愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (10396252)

キーワード細胞傷害性T細胞 / T細胞レセプター / 遺伝子治療 / がん免疫療法 / HLA / 造血器腫瘍
研究概要

T細胞レセプター遺伝子導入による造血器腫瘍に対する新たな免疫療法の開発を行う目的で研究を遂行し、下記の結果が得られた。
我々がすでに樹位したWT1特異的HLA-A24拘束性CTLクローンTAK-1からTCR-αおよびTCR-β遺伝子をRT-PCR法によって単離した。さらに、レンチウイルス発現ベクターに組み込み、WT1CTL由来TCR発現ベクターを作製した。健常人末梢血CD4およびCD8陽性T細胞に遺伝子導入したところ、60〜80%にTAK-1由来TCRの発現が確認された。TCR遺伝子導入CD8陽性T細胞は、HLA-A24拘束性WT1ペプチド特異的細胞傷害性を発揮した。さらに、さまざまな白血病細胞や胃髄腫細胞に対してHLA-rA24拘束性細胞傷害性を示した。他方、CD4陽性細胞もHLA-A24拘束性にTh1サイトカインを産生したが、この反応には白血病細胞にHLAクラスIIの発現が必要であることが示唆された。そこで、HLAクラスII陰性白血病細胞株にCIITA遺伝子を強制発現させ、新たにHLAクラスIIを発現させた白血病細胞株を作成したところ、これらの白血病細胞の反応が誘導されることが確認された。以上のことから、high affinityを有するCTL由来TCR遺伝子導入によって、CD8陽性T細胞のみならず、CD4陽生T細胞もHLAクラスI拘束性がん特異性を獲得することが明らかとなった。ほとんどの白血病細胞はHLAクラスII陽性であることを考えると、白血病に対する効果的な免疫遺伝子治療法となることが考えられる。
本研究によって、がん特異的FCR遺伝子導入療法は、本来CTLエピトープとして同定されたペプチドをへルパーT細胞エピトープとしても共有できることが示され、きわめて効率の良い細胞免疫療法が確立できることが明らかとなった。現在、さらに、動物モデルを用いて、その検証を行っている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] CXCR3発現制御性T細胞による急性GVHD標的臓器傷害の抑制効果2007

    • 著者名/発表者名
      谷本 一史、東 太地, 他
    • 学会等名
      第69回日本血液学会・第49回日本臨床血液学会合同総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-10-11
  • [学会発表] EHZF遺伝子の赤血球分化における役割2007

    • 著者名/発表者名
      松原 悦子、東 太地, 他
    • 学会等名
      第69回日本血液学会・第49回日本臨床血液学会合同総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-10-11
  • [学会発表] 白血病特異的CTLを誘導するAurora-A kinase由来ペプチドの同定2007

    • 著者名/発表者名
      越智 俊元、東 太地, 他
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-10-03
  • [学会発表] CML66-特異的細胞傷害性Tリンパ球の誘導と機能的解析2007

    • 著者名/発表者名
      末盛 浩一郎、東 太地, 他
    • 学会等名
      第66回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2007-10-03

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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