研究概要 |
<方法> 主要組織適合性抗原(MHC)ミスマッチの骨髄移植を行った後、α-galactosylceramide(αGC)によりNKT細胞を刺激して移植片対宿主病(GVHD)および移植片対白血病(GVL)効果を評価した。ドナーはB6(H-2^b)、レシピエントはB6D2F1(H-^<2b/d>)を使用し、全身放射線照射10Gy後にドナーから採取した骨髄細胞5x10^6個と脾細胞5x10^6個を輸注した。抗腫瘍効果をみるためにP815(H-2^d)を50000個輸注した。αGCは100μg/kgBWを移植後Day4,6,8またはDay7,9,11に腹腔内投与した。 <結果> 1,マウス同種移植後にαGCを投与する事によってGVL効果が増強された αGCをDay0に投与した場合、GVHDが有意に抑制されるもののGVL効果には影響が無い事を確認した。αGCをDay4,6,8またはDay7,9,11に輸注した場合はいずれも、有意に腫瘍による死亡を抑制した(Day60の生存率はαGC投与群85% vs 非投与群22%,p<0.05)。 2,マウス同種移植後にNKT細胞刺激を行ってもGVHDの重症度は変化しなかった 体重変動やclinical GVHD scoreなどはαGC投与群と非投与群で有意差はなかった。 3,NKT細胞刺激による抗腫瘍効果の増強にはアロ反応が必要であった αGCによる抗腫瘍効果がアロ反応依存性である事を示すため、前処置や輸注細胞数はそのままでドナーをB6D2F1に変えてsyngeneicの移植を行った。αGCをD4,6,8と投与したが投与群・非投与群ともに移植後Day18までに腫瘍によって死亡した。
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