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2007 年度 実績報告書

血液細胞分化過程における転写因子PU.1による標的遺伝子群の発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 18790664
研究機関産業医科大学

研究代表者

鈴木 光浩  産業医科大学, 医学部, 講師 (00321662)

キーワード再生医学 / 遺伝子発現調節 / 発生・分化 / 血球細胞
研究概要

転写因子PU.1は造血幹細胞から各種血液細胞への分化進行決定に重要な役割を果たしている。PU.1の標的遺伝子の遣伝子発現調節機構はPU.1と他の転写因子・転写共役因子とのクロストークおよびPU.1自身の修飾により制御されている。これまでにPU.1の3カ所の被アセチル化部位のリジンをアルギニンへ個別または全て置換した変異体においてコアクティペーター(CBP/p300)やコリプレッサー(mSin3A-HDACl)との複合体形成に変化が起ることを示唆する実験結果を得ている。しかし他の被アセチル化・被リン酸化部位での解析については不明な点が多く残されている。本研究では以下の解析を行いさらに詳細なPU.1による転写調節機構の選択性について解明を目指し以下の研究を行った。
1-1)PU.1の修飾状態と転写共役因子との結合による転写調節の相関性
PU.1のETSドメインに存在する被アセチル化・リン酸化部位の修飾状態と転写共役因子群との結合の嗜好性を明らかにするためPU.1の被修飾部位と推測される箇所にそれぞれ置換変異を導入した変異体を作製し、CBP/p300もしくはmSin3A-HDACl複合体との結合の強さをpulldown法、two-hybrid法を用いて解析を行った。その結果、PU.1の223,224,245-249a.a.に存在するリジン残基がmSin3A-HDACI複合体への結合に必須な役割を果たしていることを明らかとした。
1-2)PU.1により「正」・負」に調節される標的遺伝子とPU.1の被修飾状態との関連性
PU.1は造血幹細胞から単球・マクロファージ系細胞への分化に必要なGM-CSFR遺伝子やリンパ球系細胞への分化に必要なIL-7a遺伝子の昂進に重要な役割を果たしている。このPU.1による調節がPU.1のどの部位に修飾を受けることで行われているのかを各被修飾部位に置換を導入したPU.1置換変異体を用いて解析を行った。その結果、上記223,224a.a.のリジン残基のアセチル化と132,133a.a.に存在するセリン残基のリン酸化が標的遺伝子の発現昂進に、245-249a.a.のリジン残基のアセチル化が転写抑制に寄与していることを明らかとした。さらに、208a.a.のリジン残基がPU.1のDNA結合能に寄与していることを明ちかとした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Interaction between the homeodomain protein HOXC13 and ETS family transcription factor PU.l and its implication in the differentiation of murine eiy thro leukemia cells.2008

    • 著者名/発表者名
      T Yamada, T Shimizu, M Suzuki, F Kihara-Negishi, N Nanashima, T Sakurai, Y Fan, M Akita, T Oikawa and S Tsuchida
    • 雑誌名

      Exp. CeU Res. 31

      ページ: 847-858

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Two of four alternatively spliced isoforms ofRUNX2 control OSTEOCALCIN gene expression in human osteoblast cells.2008

    • 著者名/発表者名
      N Makita, M Suzuki, S Asami, R Takahata. D Kouzaki, S Kobayashi and N Hozumi. (correspondece author)
    • 雑誌名

      Gene (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cooperative interaction between ETSl and GFIl transcriptional factors in the repression of bax gene expression2007

    • 著者名/発表者名
      Y Nakazawa, M Suzuki、N Manabe, T Yamada, F Kihara-Negishi, T Sakurai, D G. Tenen A Iwama, M Mochizuki and T Oikown
    • 雑誌名

      Oncogene 26

      ページ: 893-897

    • 査読あり
  • [学会発表] 造血系細胞におけるPU.1の修飾部位を介した転写調節の選択性2007

    • 著者名/発表者名
      福田弘典、鈴木光浩、山田健太、穂積信道
    • 学会等名
      第30回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071200

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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