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2006 年度 実績報告書

造血幹細胞におけるTie1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790668
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

百瀬 暖佳  国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 研究員 (70415488)

キーワード血液学 / 幹細胞
研究概要

造血幹細胞は、全ての血球細胞へ分化する多分化能と、多分化能を保持したまま増殖を続ける自己複製能を持った細胞であり、生涯に渡って血球細胞を供給し続ける。造血幹細胞の機能分子としてはFlt3、c-kitをはじめ、数多くの受容体型チロシンキナーゼが同定されている。このうちTie2は、成体骨髄中の造血幹細胞ニッチにおいて機能し、成体の造血幹細胞の未分化性を維持させるために重要な働きをしていることが報告された。
一方、Tie2と同じファミリーに属するTie1は、構造や発現パターンの類似性からTie2と類似の機能を担うと考えられているが、生理的リガンドは未同定であり、詳細な解析が進んでいない。本研究課題では造血幹細胞におけるTie1の機能解明を目指して解析を行っている。本年度は以下に示す知見を得た。
1)胎児腎臓上皮由来HEK293TやproB細胞由来Ba/F3にTie1を強制発現させ、ウェスタンブロット法を用いて目的の分子量にバンドが検出されることを確認した。Ba/F3細胞においてはより高分子量側にもバンドが認められ、Tie1が何らかの化学修飾を受けている可能性が考えられた。一方、HEK293T細胞では相当するバンドは認められず、血球細胞特異的なTie1の機能調節機構の存在が示唆された。
2)Tie1を強制発現させたBa/F3細胞での接着因子の発現を検討したところ、integrinβ1の発現が亢進していることを明らかにした。Tie1シグナルによる接着因子の発現亢進が、ストローマ細胞等への接着能増強の一因と考えられる。
3)Tie1ノックダウン用のshRNAを組み込んだレンチウイルスベクターを3種類構築し、造血幹細胞におけるTie1ノックダウンに使用するベクターの選択を行った。
現在は造血幹細胞においてTie1の機能解明を行うための準備段階に入っている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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