1、Autophagy実験系の確立 マウスマクロファージ細胞株RAW264.7及びJ774.1において、これまで報告されている自己貪食現象(autophagy)の誘導条件により実際に、Autophagosomeが誘導できることを確かめた。 具体的には、RAW264.7及びJ774.1細胞株を(1)stervation mediumでの培養、(2)rapamycin添加培地(25μg/ml)で2時間培養し、×1000で観察した。コントロールの細胞に比較し、隔離膜で覆われた、Autophagosomeの出現が確かめられた。 2、Autophagy現象に関わる受容体の同定 貪食細胞の代表的受容体TLR familyに着目して実験を行った。 本研究ではAutophagy現象に関わる受容体を同定することが目的である。 まず我々は病原微生物の受容体TLR2、TLR4を強発現したマウスproB細胞株、BaF3細胞を作成し、これらの細胞において、Autophagyを誘導すると考えられる細胞内寄生菌、P.acne菌が刺激作用を持つかを検討したところ、P.acne菌はTLR2を介して、BaF3細胞株を活性化した。 また受容体TLR2を発現したBaF3細胞に、さらに細胞内シグナル伝達経路のkey moleculeであるNF-κBレポーター遺伝子を発現させた細胞を作成し、この細胞をP.acne菌で刺激したところ、NF-κBの活性化が観察された。 以上より、今後このTLR2、TLR4発現BaF3細胞において、従来報告されている(1)stervation medium、(2)rapamycin、によるautophagy誘導と同様の現象が認められるかを、これらのTLR強制発現BaF3細胞株を用いて検討する。
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