重症肺高血圧モデルラットの作成 実験動物として体重200-250gの雄Sprague-Dawleyラットを用いた。重症肺高血圧症のモデルであるVGEFレセプターtype II阻害+低酸素飼育モデル(SU+Hypoxia model)では施設到着1週間後にVGEFレセプターtype II阻害剤SU-5416(20mg/kg)を皮下投与し、そのさらに1週間後から前述の低圧性低酸素チャンバー(チャンバー内気圧:約410mmHg、吸気中の酸素分圧=約76mmg)にて3週間飼育した。SU-5416の投与は低酸素チャンバーに入れる1週間前の1回のみ行った。Normal Control群(Normal model)は施設到着1週間後にSU-5416の溶媒のみを投与した後4週間Room air下で飼育した。 各群のラットに鎮静剤を投与し充分な安静を得たのち、24G直針を用いた胸壁からの直接穿刺法にて右室圧、左室圧重測定した。測定後採血し、屠殺したのち心臓及び肺を摘出し、摘出した心肺について右心室肥大の評価として右心室/左心室+心室中隔(RV/LV+S)の重量比を算出した。生存した重症肺血圧ラットでは著明な右室肥大がみられた。ただし、本手技は多くのラットにとって致死的であり、その他の検討に必要な検体を獲得するには未だ至っておらず、現在、低酸素からの離脱法の改善などを検討中である。 Galectin-1欠損マウスの低酸素性肺高血圧の病理学的変化の検討 本研究に使用する技術を用い、コロラド大学肺循環研究所のDavid Case氏、Susan Majka氏のプロジェクトにおいて肺血管の病理診断を行った。結果は11.に記載した論文に掲載された。
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