小児がんである横紋筋肉腫の発生にDNAメチル化と共通する2つのキーワードである分化・発がんが関わるということに着目し、本研究を計画し開始した。 1.メチル化DNA領域の網羅的探索を可能にした新規手法を用いてアプローチし、横紋筋肉腫においてそのプロモーター領域のCpG islandが、特異的にメチル化されている遺伝子を同定した。 2.Bisulfite sequencing法、Methylation-specific PCR(MSP)法およびCombined bisulfite restriction analysis(COBRA)法により、該当遺伝子の5'領域のCpG islandが横紋筋肉腫細胞株において、特異的にメチル化されていることを確認した。 3.該当遺伝子の発現は横紋筋肉腫細胞株においてサイレンシングされており、脱メチル化剤5-aza-2'-deoxycytidine処理で、発現が回復することをRT-PCR法により確認した。 4.横紋筋肉腫臨床検体においても、Bisulfite sequencing法、MSP法およびCOBRA法により、該当遺伝子の5'領域のCpG islandが高メチル化状態であることを確認した。このメチル化のよりよい診断法への応用を検討中であり、今後、発表予定である。
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