日本人先天性ネフローゼ症候群患者において、我々が同定したNPHS1遺伝子変異を有したpcDNA3の発現ベクターをQuikchange site-directed mutagenesis kitを使用してすべて作成した。 これらのベクターをHEK293細胞にトランスフェクトした。736番のGがTに変異し、246番アミノ酸がストップコドンに変化する変異の場合では、それより下流を認識する抗ネフリン抗体を使った免疫染色で陰性だったが、野生型の場合や2525番のCをdeletionさせたベクターをトランスフェクトした場合は染色された。このことから蛋白自体の発現はおこっていると考えられた。当初、細胞培養用の普通のカバーガラスの上に培養していたが、リジンとラミニンをコートしたカバーグラスの上で培養した. また、NPHS2遺伝子に母親由来R168Cと父親由来Rl68Hの複合ヘテロ変異をもつ自験例のステロイド抵抗性ネフローゼ患者に著明な頭蓋骨離開が存在していたことから、著明な頭蓋骨離開とNPHS2遺伝子異常の関係について検討した。マウス胎仔からRNAを抽出し、RT-PCRを行うことによって今まで報告のなかった頭部にもポドシンが発現していることが予想されていたが、抗マウスポドシン抗体による免疫染色も行ったところ、本抗体では、糸球体に特異的に発現が認められ、頭部にも発現がみとめられた。
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