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我々は過去6年間にわたる乳幼児急性脳症の臨床研究から、乳幼児前頭葉急性脳症: Acute Infantile Encephalopathy Predominantly Affecting the Frontal lobes ; AIEFの概念を乳幼児急性脳症の一型として提唱した(Ann Neurol 2003;54 Suppl 7:127、脳と発達2003 ;35 Suppl :153、Pediatr Neurol 2006;36)。AIEFは発症初期の症状は他の小児急性脳症に類似するが、生命予後が良く、亜急性期に前頭葉症状を呈し、同時期の脳血流検査で前頭葉領域を中心とした低還流を認める。しかし臨床報告数はまだ少なく、そのメカニズムは未解決のままである。
この研究の最大の課題はAIEFの最大の特徴である前頭葉領域の特異的な脳血流の低還流メカニズムの解明にある。我々はてんかんをはじめ様々な痙単性疾患におけるシナプス伝道レベルの障害に最も関与する抑制性シナプス伝達の主要な部分をになうGABA_A受容体と複合体を形成する中枢性ベンゾジアゼピン受容体に注目し、平成18年度中に、AIEFにおける中枢性ベンゾジアゼピン受容体の脳内分布の解析に必要な画像解析セットアップを完了した。
具体的には、データ解析のため画像解析ソフトウェアであるeZIS法、3DSRT法、BEAT法の準備を整えた。中枢性ベンゾジアゼピン受容体に特異的に結合する^<123>I-iomazenil (IMZ)を用いたSPECT検査を院内核医学教室と協力し稼働とした。また比較画像対象として^<99m>Tc-ECD SPECTの定性撮影を稼働とした。乳幼児前頭葉急性脳症のみでは症例数が少ないと判断し、乳幼児期の痙単性疾患を比較対象とし核医学検査症例数を蓄積した。現在のところ症例数はIMZが約10件、ECDが約50件程度となった。次年度に向けてさらに症例数を蓄積していき、画像解析ソフトを応用して前頭葉領域のSPECT画像を解析していきたい。
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