研究概要 |
ヒルシュスプラング病では、エンドセリンレセプターB遺伝子の点変異の結果、聴覚異常の症状を呈することが知られているが、その治療法は未だ確立されていない。そこで、そのノックアウトマウスの聴力を測定する為、聴性脳幹反応システムを確立した。また、マウス内耳から聴覚に特に重要なコルチ器を取り出し、器官培養するシステムを確立した。今後は、これらのシステムを用いて薬物のスクリーニングなど行っていく予定である。また研究代表者は、ヒルシュスプラング病の発症と深く関わるRETと悪性黒色腫の関連を探る為に、RETトランスジェニックマウス(242系)とヘアレスマウス(HRS/J)を交配させ、242系ヘアレスRETトランスジェニックマウス(242HL/RET-Tg mice)を新規に作製し、この242HL/RET-Tg miceを用いて紫外線照射により誘発される悪性黒色腫の機構を解析した。その結果、皮膚黒色症はシグナル伝達系に関与するc-Jun,p38などのリン酸化を抑制することにより、紫外線照射により誘発される悪性黒色腫に対して防御的に作用することが分かった(J Invest Dermatol. 2007)。
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