研究概要 |
昨年度からの研究に引き続いて,疾患特異的尺度の作成をおこなった. ・まず,文献の系統的レビューをおこない,以下の症状がQOLに影響している可能性が考えられた. 1) 歩行時の息切れ,2) 臥床時の息切れ,3) 夜間頻尿,4) 浮腫,5) 動悸,6) めまい,7) 運動時のチアノーゼ,8) 顔色不良. また,以下の検査および受診もQOLに影響している可能性が考えられた.1) 心電図,2) 心エコー,3) 採血,4) 胸部Xp,5) インフルエンザワクチン接種,6) 心臓治療目的の入院,7) 専門医受診. また,以下の項目についての不安もQOLに影響している可能性が考えられた.1) 教育,2) 仕事,3) 経歴,4) 独立すること,5) 家に一人でいること,6) 運動すること,7) 友人関係,8)人間関係,9) 挙児,10) 健康状態一般. ・次に,先天性心疾患児を診療している医師に対し,上記以外の項目でQOLに影響していると考えられるものを上げてもらったところ,以下の項目が得られた.1) 心臓カテーテル検査,2) 運動負荷心電図,3) 感冒時などの一般病院受診,4) 定期の内服治療. ・最後に,少数の患者にインタビューし,これら以外の項目について上げてもらったところ,将来の健康不安があげられた. ・上記すべての項目を網羅したSF-36に沿った形式の30問の質問票を作成し,プレテストとして外来患者より回答を得たところ,インフルエンザワクチン接種のみQOLとの関連が低いと考えられた.本結果をふまえて,来年度以降は質問票の改善をおこなっていく.
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