• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

出生後24時間以内に死亡するDscamノックアウトマウスを用いた呼吸障害の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790744
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

天野 賢治  独立行政法人理化学研究所, 神経遺伝研究チーム, リサーチアソシエイト (60333340)

キーワードDSCAM / ノックアウトマウス / 呼吸障害 / 神経系免疫グロブリンスーパーファミリー( / 延髄呼吸中枢 / 電気生理学実験 / 致死 / 摘出脳幹-脊髄標本
研究概要

DSCAMはヒト21番染色体上に位置し、細胞接着や軸索誘導など神経系の発生・分化に深く関わる神経系免疫グロブリンスーパーファミリーに属する。その発現は、マウスでは発生段階から成体に至るまで主に中枢神経系で見られ、神経ネットワークの構築・維持に重要な役割を担っていることが推察される。我々は、DSCAMがダウン症精神遅滞の発症に関与する候補遺伝子の一つと考え、生体内でのDscamの機能を解析するためにDscamノックアウトマウスを作出した。Dscamノックアウトマウスは、胎生期に死亡するものはほとんど無く生まれるが、出生後24時間以内にほぼ全てが死亡した。外見上は特に目立った異常は見られないものの、時々呼吸困難に陥っているかのような、体を硬直させ頭を小刻みに震わせる特徴的な行動を呈した。そこで、Whole body plethysmographyを用いてin vivoでの呼吸活動を測定したところ、無呼吸状態を伴う異常なリズムを示した。次に、観察された呼吸異常が中枢性のものであるかどうかを調べるために、摘出脳幹-脊髄標本を用いて電気生理学実験を行ったところ、中枢性の呼吸活動も無呼吸を伴う異常なリズムを示した。このことから、Dscamノックアウトマウスは中枢性の呼吸障害を呈し、出生後24時間以内に死亡することが示唆された。一方、末梢の臓器である心臓については、組織学的な解析を行ったが異常は見られなかった。今後は、中枢性の呼吸障害がどのようなメカニズムで起きているのかについて注目し、延髄呼吸中枢での呼吸性ニューロンの活動様式・ネットワークの形成などに関し、電気生理学実験、光学的測定及びトレーサー実験等を用い解析を進めていきたいと考えている。また、脳(特に延髄)における構造的な、或は機能的な異常があるかどうかを調べるため、組織学的な解析も進めていきたいと考えている。

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi