ムコ多糖症I型への酵素製剤が国内で承認され、Pompe病、ムコ多糖症II型など、様々な代謝疾患への酵素補充療法の薬剤が承認待ちである。また、メチルマロン酸血症など、ほかの代謝疾患についても肝臓移植など根治的効果が期待される治療の実施例が増えており、さらに、当センターをはじめ、遺伝子治療や幹細胞などによる新しい治療法の開発も進められるなど、遺伝子解析検査のニーズが確実に増加しており、より効率的で迅速な遺伝子解析法の開発が急務である。昨年度、ムコ多糖症I型、II型、VI型をはじめメチルマロン酸血症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症など様々な先天代謝異常患者のDNAサンプルを収集につとめた。すべて該当疾患の当センターでのDNA遺伝子検査について文章による同意を得たうえで提供されたサンプルである。これらのサンプルについては、多くの費用と時間を要するが、PCRダイレクトシークエンス法やRFLP法などの方法で変異を確認し結果を報告している。特にムコ多糖症では25の異なった変異を確認しており、これらのサンプルと遺伝子解析結果については、2007年春の第110回日本小児科学会学術集会において、これらの遺伝子型とその表現形との関係について交えて報告した。 本年度(2007年度)は、現在変異を確認したサンプルについて、DHPLC法にてこれらの変異が検出可能であるか現在検討中である。DHPLC法での検出について、より効率的な検査の実施を目指して、同一PCR条件でのPCR増幅が可能なプライマーセットの開発と手順の標準化について準備中である。疾患のサンプル収集を目指しているところである
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