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2007 年度 実績報告書

スフィンゴ脂質による皮膚細胞外基質関連遺伝子の制御機構について

研究課題

研究課題/領域番号 18790772
研究機関群馬大学

研究代表者

山中 正義  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323364)

キーワード細胞・組織 / シグナル伝達 / 発現制御 / 生理活性 / 臨床
研究概要

ヒト皮膚由来線維芽細胞において、Sphingosine-1-phosphate(S1P)生成酵素であるSphingosine kinase-1(SPHK1)遺伝子を強制発現した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は抑制され、RNAi法によりSPHK1遺伝子発現を抑制した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は増強された。また、Sphingosine-1-phosphate(S1P)分解酵素であるsphingosine-1-phosphate lyase(SIPLyase)遺伝子を強制発現した細胞ではI型コラーゲン遺伝子の転写活性は増強された。以上より、ceramide-S1P代謝において、S1P寄りに傾くと、I型コラーゲン遺伝子の発現は抑制されることが明らかになった。更にSPHK1遺伝子を強制発現した細胞ではコラーゲン分解酵素であるMMP-1の発現が亢進しており、これらの結果よりceramide-S1P代謝において、そのバランスがceramide寄りに傾くと細胞外基質沈着の促進、S1P寄りに傾くと細胞外基質沈着の抑制の方向に働くものと考えられた。また、SPHK1がNF-κβおよびJNKを活性化すること、SMAD3の核内移行の抑制することを明らかにし、これらがSPHK1によるI型コラーゲン遺伝子の発現は抑制に関与していることを明らかにした。更に、全身性強皮症患者由来皮膚線維芽細胞では健常人に比べるとSPHK活性が減弱していることが明らかになり、全身性強皮症ではceramide・S1P代謝バランスがceramide寄りに傾いていることが全身性強皮症における細胞外基質の過剰沈着という病態に関与している可能性が示唆された。以上の結果より、全身性強皮症の治療において、ceramide-S1P代謝バランスの正常化といった観点からのアプローチも期待できるのではないかと考えた。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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