• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

上皮組織が産生する殺菌物質のケラチノサイトに対する作用

研究課題

研究課題/領域番号 18790809
研究機関順天堂大学

研究代表者

ニヨンサバ フランソワ  順天堂大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60365640)

キーワードケラチノサイト / 好中球 / Psoriasin / サイトカイン・ケモカイン / ROS産生 / 殺菌ペプチド / 自然免疫 / 感染防御
研究概要

皮膚由来殺菌物質の中で、β-defensin(hBD)とcathelicidinLL-37が注目されている。これらのペプチドが、創傷や数多くの皮膚疾患に発現していることが報告され、創傷治癒とこれら皮膚疾患の病態にhBDやLL-37が関与する。最近、皮膚が、hBDとLL-37以外にPsoriasinなどの殺菌物質を産生することが報告された。Psoriasinが正常皮膚に発現し、乾癬やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患に関与していることは明らかになった。Psoriasinを含めて殺菌物質においては、今までに使用されている抗生物質より抗菌範囲が広く、低濃度で作用を示すこと知られている。しかし、これまでにPsoriasinが、殺菌作用以外の機能は詳細な検討はなされていない。申請者は、hBDとLL-37が殺菌作用の他に、数多くの細胞を活性化し、自然免疫、炎症反応とアレルギー反応に関与していることを見だしており、Psoriasinが同様の作用を有する可能性がある。
その結果、Psoriasinが、G蛋白受容体とMAPキナーゼp38とERKの経路を介して、好中球とケラチノサイトのサイトカインやケモカイン(IL-6,IL-8,TNF-α,IP-10,MIP-1α,MIP-1βとMIP-3α)の蛋白産生を誘導した。また、Psoriasinが、これらの細胞のMAPキナーゼのリン酸化を誘導することがわかった。さらに、PsoriasinがLL-37同様に、NADPHオキシダーゼを活性化することによって、好中球のROS産生を誘導することを確認した。興味深いのは、殺菌物質Psoriasinが、好中球が産生する殺菌ペプチドであるα-defensinの遺伝子発現と蛋白放出を増強した。以上のことから、上皮組織が産生する殺菌物質Psoriasinは体内で単に殺菌物質として働くだけでなく、幅広い生物活性を生体内で示すことによって感染防御、炎症反応や自然免疫に関与する可能性があると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Microbicidal protein psoriasin is a multifunctional modulator of neutrophil activation2008

    • 著者名/発表者名
      Yan, Zheng
    • 雑誌名

      Immunology PMID:18194266

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cathelicidin LL-37 induces the feneration of reactive oxygen species and release of human a-defensins from neutrophils2007

    • 著者名/発表者名
      Yan, Zheng
    • 雑誌名

      British Journal of Dermatology 157(6)

      ページ: 1124-1131

    • 査読あり
  • [学会発表] Induction of Psoriasin and its stimulatory effect in human kerationocytes2007

    • 著者名/発表者名
      Francois, Niyonsaba
    • 学会等名
      第57日本アレルギー学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20071101-03

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi