研究概要 |
平成18年度には、使用器機の習熟・消耗品等の購入等の研究の準備を整えた。対象の収集を開始し、現在、2名のうつ病患者にパロキセチンを6週間投与し、臨床評価を行った。しかしながら、この2名の対象はパロキセチン治療の反応者であったため,非反応者に投与する予定であったリチウムまたはオランザピンの併用は行わなかった。 また、本研究の第二の目的である、うつ病の治療抵抗性に関与する神経伝達物質遺伝多型の検討についてであるが、近年、人格特徴がうつ病の薬物療法の治療反応性に影響を与えるとの報告があり具体的には、Cloningerらの人格評価スケール(Temperament and Character Inventory)を用いた研究で、損害回避が高く、報酬依存・協調性・自己志向が低いとうつ病の薬物反応性が不良であることが報告されている。一方、神経伝達物質遺伝多型は人格特徴に影響を与えるとが示唆されている。そのため、うつ病患者を対象とする前段階の研究として、健常人を対象にして、神経伝達物質遺伝多型は人格特徴に与える影響について検討した。現在、健常人600例を対象に、Temperament and Character Inventoryにて、人格特徴の評価をおこなった。また、対象より、採決を行い、DNAの抽出を行い、PCR法にて種々の遺伝多型を同定している。現在、その結果の解析中であり得られた結果は平成19年度に公表を検討している。
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