研究課題
【目的】サイトカインあるいは神経栄養因子の遺伝子は統合失調症の候補遺伝子として注目されている。しかし、これらの候補遺伝子については報告により必ずしも一致した結果が得られていない。そこで今回我々は、サイトカイン・神経栄養因子遺伝子が統合失調症の疾患感受性遺伝子であるか否かを明らかにするために、日本人集団を対象とした関連研究を行った。【方法】対象はDSM-IVにより統合失調症と診断された者536人(男性281人、平均年齢40.1[SD 14.2]歳)、および精神疾患既往歴のない健常対象者510人(男性275人、平均年齢37.4[SD 10.2]歳)である。本研究は新潟大学医学部遺伝子倫理審査委員会の承認を得ており、対象者には研究について十分な説明を行い事前に書面にて同意を得ている。先行研究で関連を認めた多型に加えHapMapデータに基づいて選択したinterleukin 2 (IL2)遺伝子の3多型およびIL4遺伝子の4多型についてTaqMan法により遺伝子型判定を行った。【結果】解析した7多型については、遺伝子型、アレル、ハプロタイプ頻度のいずれも両群間で有意な差を認めなかった。【考察】日本人においては、これらのIL2およびIL4遺伝子と統合失調症との関連は否定的であり、先行研究との結果の相違は民族差を反映したものと考えられる。ただし、第2種の過誤の可能性を完全に否定することはできず、さらにサンプル・サイズを増やした研究やメタ解析が望まれる。
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