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2006 年度 実績報告書

抗うつ薬を用いた疼痛制御に関する行動薬理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18790841
研究機関宮崎大学

研究代表者

武田 龍一郎  宮崎大学, 医学部, 助手 (90336298)

キーワード神経因性疼痛 / ミルナシプラン / Fos / 前部帯状回
研究概要

1)神経因性疹痛を有する神経圧迫モデルラットに対する抗うつ薬投与実験
体重約300gのSprague-Dawley系雄性ラットを用いた。慢性疼痛モデルとして、主にKrugerらの方法を参考に、樹脂製チューブにより坐骨神経を絞扼することで、神経圧迫モデルラットを作成した。疼痛閾値は、フォンフレイフィラメントによる足底への機械的刺激により測定した。疼痛閾値の測定によりアロディニア(本来は疼痛刺激にならない程度の機械的刺激で疼痛回避行動を示す神経因性疼痛にみられる徴候)を示した神経圧迫モデルラットに対して、抗うつ薬ミルナシプランを髄腔に単回投与あるいは浸透圧ポンプによる持続的皮下投与を行った。その結果、髄腔内投与では濃度0.1〜0.0001モル濃度において、投与1時間後に最大となる疼痛閾値の上昇、すなわち鎮痛効果が確認され、6時間後には消失した。また持続的皮下投与実験においては、ミルナシプラン10mg/kg/day投与群で、生理食塩水投与群と比較して、投与7日目以降、実験のエンドポイントである14日目まで持続する鎮痛効果を認めた。
2)同モデルラットの脳及び脊髄後角におけるFos蛋白発現に、抗うつ薬が与える影響を調べた形態学的実験
ミルナシプランを持続的皮下投与された神経圧迫モデルラットの脳及び脊髄後角における早期発現蛋白であるFos蛋白の発現について、形態学的実験を行った。その結果、ミルナシプラン持続的皮下投与群では、生理食塩水群と比較して、侵害性圧刺激(足底に対する荷重600gの機械的圧刺激)を加えられた条件での前部帯状回におけるFos蛋白陽性細胞数が、有意に少ないことが示された。このことは、ミルナシプランの有する鎮痛効果に、前部帯状回が関与している可能性を示唆している。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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