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2008 年度 実績報告書

レビー小体型認知症の臨床病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18790844
研究機関横浜市立大学

研究代表者

都甲 崇  横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (20381501)

キーワードレビー小体型認知症 / 老年精神医学 / シヌクレイン
研究概要

レビー小体型認知症(DLB)は、変性性認知症の中でアルツハイマー型認知症に次いで頻度が高く、現在最も注目されている認知症の一つである。その臨床症状の特徴は、進行性の認知障害、パーキンソニズム、幻視、動揺性の認知障害、REM睡眠行動障害なのであるが、それぞれの症状の原因となる病理学的背景は十分には解明されていなかった。本研究は、臨床記録の評価と剖検脳の病理学的検索によって、DLBのさまざまな臨床症状の原因となる病理背景について明らかにすることを目的とした。
今同の検討では、約60例のDLBの剖検脳とその臨床記録を用いて研究を行った。まず、DLBでみられる血管病変と臨床症状の関係について調べたが、DLBでは外傷性と考えられる肉眼的出血が多くみられ、一方微小梗塞はアルツハイマー病に比べて少なかった。微小梗塞を有さないDLBでは、初発症状は記憶障害であることが多かったが、微小梗塞を有するDLBでは初発症状はパーキンソニズムが多く、微小梗塞の有無がDLBの初期症状に関係している可能性が示された。
次に幻視や視角認知障害の病理学的背景の検索を行った。今回の検討では、視角路と扁桃体のレビー病変が強い症例ほど幻視や視角認知障害が強いことが明らかになった。
またパーキンソン症状については、かねてから指摘されているように、黒質線条体路との間に関連がみられた。
一方、動揺性の認知障害やREM睡眠行動障害については、今回の検討では、原因となる病理学的所見は明らかにされなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Total Mini-Mental State Examination score and regional cerebral blood flow using Z score imaging and automated ROI analysis software in subjects with memory impairment2009

    • 著者名/発表者名
      池田英二、都甲崇、他
    • 雑誌名

      Ann Nucl Med 22

      ページ: 539-542

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuropathological investigation of regions responsible for semantic aphasia in frontotemporal lobar degeneration2009

    • 著者名/発表者名
      山本涼子、都甲崇、他
    • 雑誌名

      Dement Geriatr Cogn Disord 27

      ページ: 214-223

    • 査読あり
  • [学会発表] アルツハイマー病とレビー小体型認知症患者脳内におけるTDP-43陽性封入体の出現様式2008

    • 著者名/発表者名
      山本涼子、東晋二、井関栄三、峰岸道子、日野博昭、藤澤浩四郎、都甲崇、勝瀬大海、内門大丈、古川良子、小阪憲司、新井平伊
    • 学会等名
      第49回日本神経病理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080500

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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