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2006 年度 実績報告書

ゲノム薬理学的手法によるパニック障害治療における最適なパロキセチン血中濃度の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18790847
研究機関獨協医科大学

研究代表者

佐伯 吉規  獨協医科大学, 医学部, 助手 (20406177)

キーワード遺伝子多型 / ゲノム / 薬物代謝
研究概要

パニック障害の代表的治療薬であるパロキセチンの血中濃度、およびパロキセチン血中濃度の決定因子として重要なcytochromeP450(CYP)遺伝子多型とパニック障害の臨床症状の推移・各個体での副作用出現との関係を解析し、治療反応性や副作用出現の投与前予測をめざし、パロキセチンによるパニック障害のオーダーメイド(個別化)治療の確立を目的とする。本研究は今日ではどの研究室でも容易になっているpolymerase chain reaction法などの分子生物学的手法によりCYP2D6のような薬物代謝酵素遺伝子多型とパロキセチン血中濃度とパニック障害の臨床症状の推移・各個体での副作用出現との関係を解析することによって、パロキセチンに対する臨床効果・副作用を予測できるか否かを検討することを目的としている。平成18年度の研究結果としては、末治療のパニック障害患者21例を対象としてパロキセチンによる初期治療(2週間)を行い、パロキセチン血中濃度と初期治療反応性の関係について検討を行った。重回帰分析により治療反応性に影響を与えている因子の分析を行ったところ、症状改善率とパロキセチン血中濃度との間に有意な負の相関がみられた。本研究によりパロキセチンによるパニック障害の初期治療においてパロキセチン有効血中濃度に上限閾値が存在する可能性が示唆された。年齢、性別、体重、喫煙本数、常習飲酒、うつ病の合併、広場恐怖の有無、初診時パニック発作回数及び重症度、副作用などの各因子と症状改善率との間に有意な相関は認められなかった。CYP2D6遺伝子多型とパロキセチン血中濃度との関連については、変異アリル数により3群に分け(変異アリル数=0,1,2)、検定を行ったが、3群間に有意差がみられなかった。しかし変異アリルを2個もつ群は他の群より単位体重あたりの血中濃度が高めであった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] High plasma concentrations of パロキセチン impede clinical response in patients with panic disorder2007

    • 著者名/発表者名
      T Watanabe, M Ueda, Y Saeki, G Hirokane, S Morita, M Okawa, K Akiyama, K Shimoda
    • 雑誌名

      Therapeutic Drug Monitoring 29

      ページ: 40-44

  • [雑誌論文] 修正電気けいれん療法2007

    • 著者名/発表者名
      佐伯吉規, 濱口眞輔, 下田和孝
    • 雑誌名

      Mebio 24巻2号

      ページ: 39-50

  • [雑誌論文] 新規抗精神病薬へのスイッチング 遅発性運動障害の治療の視点から2006

    • 著者名/発表者名
      秋山一文, 室井秀太, 佐伯吉規, 斉藤淳, 小杉真一, 下田和孝
    • 雑誌名

      臨床精神薬理 9巻5号

      ページ: 851-861

  • [雑誌論文] 統合失調症の認知機能、QOL ~非定型抗精神病薬が果たす役割とは~2006

    • 著者名/発表者名
      佐伯吉規, 仲谷 誠, 下田和孝
    • 雑誌名

      臨床精神薬理 9

      ページ: 389-395

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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