ラット脳切片における[^<11>C]clabazamの動態変化 Dynamic positron autoradiography法を用いたラット脳スライスへの取り込み実験の結果、[^<11>C]clabazamは大脳皮質や海馬に高く取り込まれることが示された。この結果はin vitro、 in vitroにおける結合実験の結果を支持するものだった。また、非放射性clabazamを予め添加しておくことによってその取り込みが低下することからこの取り込みは[^<11>C]donepezi1の特異的結合を示している可能性が考えられた。 新規動物用PET装置を用いた[^<11>C]clabazamの動態 当センターに設置されている半導体検出器を用いた動物用PETを用いてin vivoにおける[^<11>C]clabazamの動態を確認した。塩酸ケタミン麻酔下、ラット尾静脈より[^<11>C]clabazamを投与し、90分間撮影を行った。その結果、[^<ll>C]clabazamは大脳皮質、海馬に高い取り込みが観察された。また、各部位にROIを設定して、分布の経時的変化を確認したところ、ラットを複数匹用いた脳内分布と変わらない結果を示した。また。非放射性clabazamを前投与することによってこれらの結合は低下したことから、この分布は[^<11>C]donepezilの特異的結合を示していることも明らかとなった。 以上の結果から、[^<11>C]clabazamはω受容体の新たなイメージングプローブとなりうることが考えられた。
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