畜産用ベビー豚を使用し、左門脈圧亢進症モデル作成を試みた。 大腿動脈を穿刺し、脾動脈造影を施行した。脾静脈から門脈の経路が描出された。大網静脈も描出されるが、それは脾臓の近位側のみであった。 この際得られた門脈像をマップとして、経皮経肝的に門脈にアプローチし、門脈造影、門脈圧測定を行った後、5Frバルーンカテーテルを脾静脈に進めた。バルーンにて脾静脈閉塞下で、脾動脈造影を施行した。脾静脈から門脈に帰る経路は当然閉塞されている。側副路として主に大網静脈から門脈へ帰る経路が描出された。 脾静脈をB-RTOの要領で5%EOI 5mlで塞栓した。30分後にバルーンカテーテルを抜去した。 1週後、1ヵ月後follow upの脾動脈遺影を施行した。脾静脈は閉塞されているか、それに近い状況であったが、脾静脈すぐ近傍の細かな側副路から門脈が描出された。 これだけでも、モデルではあると考えたが、さらに一部の個体には、再度経皮経肝的に門脈にアプローチし、大綱静脈の脾臓からの遠位側をマイクロコイルおよび5%EOIにて塞栓し、脾静脈の門脈合流部付近を金属コイルにて追加塞栓した。 現在時間をかけてfollow up中である。今年度は手技のトラブルやモデルの完成に想像以上の時間が費やされて、治療法のPSEまでは検討できていない。 19年度は、現在follow up中の個体を用いて、側副路の血流を測定し、PSEを施行する予定である。脾臓の梗塞率と門脈圧、側副路の流速の関係を検討する予定である。
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