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2006 年度 実績報告書

μPIC搭載TPCを用いた低エネルギー領域の画像化

研究課題

研究課題/領域番号 18790914
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

中原 理紀  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10317240)

キーワードコンプトンカメラ / 低エネルギー領域 / 画像再構成 / ノイズ除去 / 平面感度補正 / ファントム実験 / time projection chamber / micropixel chamber
研究概要

放射性医薬品の体内分布を測定する新しい手法として、我々は天文学領域で研究されているガンマ線計測用カメラ(コンプトンカメラ)に着目し、カメラの医療応用の可能性について研究を開始した。天文学と医療との最も大きな違いは測定ガンマ線のエネルギーであり、医療に用いる低エネルギー領域において本カメラの性能評価を行った。
まず我々は、コンプトンカメラによる画像化が可能なエネルギー領域を求めた。ごくわずかの放射能(1MBq以下)を有する放射性核種を用いて点線源を作り、その画像化を行った。1275keV(Na-22)、835keV(Mn-54)、662keV(Cs-137)、511keV(F-18)、365keV(I-131)については点線源を明瞭に画像化することができた。一方、I-131より低エネルギー領域(In-111,Tc-99m,Tl-201)では画像化が困難であった。画像化できた核種のうち臨床で用いられているものが含まれており(F-18,I-131)、カメラの改良によって臨床応用の可能性が広がると考えられた。また、点線源画像データより、ノイズ除去フィルタによって線源の局在を明確化することが判明した。
次に、コンプトンカメラの二次元平面感度分布を測定した。本カメラは到来ガンマ線の角度を求めることによって画像再構成を行い、コンプトン散乱空間であるtime projection chamber(TPC)からの距離に応じた二次元平面に投影している。今回我々はTPCから10cm離れた位置にI-131およびF-18を満たした平面ファントム(京都科学社製FS-3型フラッドソースファントム)を置いてデータ収集を行った。再構成によって得られた平面像から平面中心に感度が非常に高いことがわかったため、今後は画像再構成を行う際に感度補正を組み込んだアルゴリズムの開発が必要と考えられた。
加えて、臨床応用への試みとして甲状腺ファントムを用いたI-131のデータ収集を行った。現時点でのコンプトンカメラでは8時間も収集に費やしたが、甲状腺の形態を認識できる画像が得られた。今後、TPCや内蔵されているmicropixel chamber(μPIC)、読み出し回路の改良によるカメラの感度向上を目指した研究を行う必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Value of CT thallium-201 SPECT fusion imaging over SPECT alone for detection and localization of nasopharyngeal and maxillary cancers.2006

    • 著者名/発表者名
      Nakahara T, et al.
    • 雑誌名

      American Journal of Roentgenology 187・3

      ページ: 825-829

  • [雑誌論文] 18F-FDG positron emission tomographic imaging in Erdheim-Chester disease with skeletal and extra-skeletal involvement.2006

    • 著者名/発表者名
      Nakanara T, et al.
    • 雑誌名

      Leukemia & Lymphoma 47・5

      ページ: 935-937

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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