研究概要 |
乳腺疾患に対する画像診断の向上が目覚ましい.高分解能MRIの解像度はHE染色のルーペ像に匹敵すると仮定したことから,本研究がstartしている.高分解能MRIも数年ごとに進化を遂げ,研究開始時は,片側乳房の病変を中心とする直径・約5cmの円状部位の描出にとどまっていたが,平成18年8月から両側の乳房の同時撮影が可能となり,臨床の場では,すでに施行されている.研究対象症例も,片側乳房MRI撮影症例から,両側乳房MRI撮影症例に変更し,検討している.対象は,2006年10月〜2007年3月あるいは10月と考えている.さらに,当院を受診し,乳腺疾患が疑われ,何らかの病理検体(細胞診,針生検,マンモトーム生検,切開生検,乳房温存術,非定型乳房切断術等)が提出された症例で(2007年3月までであると481例),両側高分解能MRIが施行された症例とする.現在は,良悪性,診断,腫瘍形態,乳管内進展の大きさ等を,高分解能MRIとHE染色ルーペ像で,比較検討段階である.検討段階で詳細は不明だが,概ね,高分解能MRIの描出力は優れている結果がでている.高分解能MRIの解像度は,純粋なMRIの解像度と造影剤を用いた造影効果,すなわち血液の流れを反映していると考えられ,HE染色のルーペ像の解像度との解離が存在する.すでに,高分解能MRIでも,判定不可能な病変が存在することが明らかで,それらのことを勘案し検討する必要があるようだ.
|