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2007 年度 実績報告書

拒絶反応における捕体活性化のメカニズムの解明と新たな移植患者選択システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 18790938
研究機関愛媛大学

研究代表者

渡邊 常太  愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40403802)

キーワード移植 / 超急性拒絶反応 / 補体 / クロスマッチ / HLA抗体
研究概要

移植医療における超急性拒絶反応は、移植片に対して反応する既存抗体が補体を活性化し細胞障害を引き起こすと考えられている。今回、HLA抗体感作患者血清を用い、リンパ球に対する反応をフローサイトメトリー及びcomplement-dependent cytotoxicity (CDC) testにて計測した。さらに結合IgG量、IgGサブクラスと補体成分(C3b,C4d,C5b,C1q,C3d,iC3b,C5b-9)の比較検討を施行した。この結果、フローサイトメトリーによる結合IgG量とCDC testとの間に有意な相関関係はみられなかった。またC3b活性は結合IgG量、IgGサブクラスによるのではなく、血清/リンパ球の組み合わせで決定された。すべての患者において優位なIgGサブクラスはIgG1であり、HLA抗体感作患者血清に対しC3bはほぼすべての患者で陽性であり、最も鋭敏な補体成分と考えられた。免疫グロブリン(IVIG)はHLA抗体による拒絶反応における細胞障害を阻害する効果があると報告されている。前記の新たな補体活性化測定システムを用いIVIGによる細胞障害抑制効果を測定し、IVIGを用いた拒絶反応抑制メカニズムを検討した。この結果、IVIGはHLA抗体レセプターに結合しその活性を阻害するのではなく、HLA抗体により活性化された後の補体系を抑制することが示された。
当研究の結果、通常の仮説に反しCDC test、結合IgG量、IgGサブクラスは補体活性化の予測因子としては精度が低いことが示された。またHLA抗体の補体活性化を計測するために最も適したパラメータはC3bであり、精度の高い新たな移植患者選択システムとして使用可能である。IVIGはHLA抗体により活性化された補体系を抑制することが示され、免疫感作患者に対する移植医療を進歩させる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 移植医療における超急性拒絶反応抑制の試みについて2007

    • 著者名/発表者名
      渡邊常太、Juan Scornik, 他
    • 学会等名
      第107回日本外科学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20070409-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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