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2007 年度 実績報告書

肝虚血再潅流傷害に対する新たな遺伝子治療法の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18790940
研究機関九州大学

研究代表者

塩谷 聡子  九州大学, 大学病院, 医員 (90419549)

キーワード移植外科学
研究概要

平成18年度は、冷虚血再潅流直後の肝臓におけるROS産生源はKupffer細胞ではなく肝細胞である可能性が高いとの結果を得た。
平成19年度はDominant negative Rho-kinase(DNRhoK)をドナー肝細胞に導入し、Rho-kinaseを介した、ROS産生経路の存在を証明すると共に、肝細胞のRho-kinaseが虚血再潅流傷害の遺伝子治療のタ-ゲットになり得ることを証明した。
1. DNRhoK、LacZ(control)をドナーラット肝細胞に導入後、レシピエントラットで再潅流直後のROSを測定したところ、DNRhoK導入群で有意に抑制された。さらに、これらのROSはNADPH oxydase inhibiorで有意に抑制された。よって、肝虚血再潅流傷害における再潅流直後のROSは肝細胞のRho-kinaseを介して、NADPH oxydase systemにより産生される可能性があると考えられた。
2. DNRhoK、LacZ(control)をドナーラット肝細胞に導入し、DNRhoK導入群で虚血最潅流傷害が抑制されることを証明した。肝障害(AST/ALT)、炎症性サイトカイン(TNFα, IL-1β)、いずれもDNRhoK導入群で有意に抑制された。また、肝虚血再潅流傷害の結果生じるとされる、肝内微小循環障害をLaser Dopplerを用いて評価したところ、DNRhoK導入群おいて、有意に抑制されていた。
3. ラット肝移植モデルにおける生存率の比較を行い、DNRhoK導入群で有意に良好であった。
平成18-19年の研究結果より、肝移植後の虚血再潅流傷害を回避するために、ドナー肝へのDNRhoK導入により肝細胞NADPH oxydaseにおけるROS産生を抑制することが有効であることが証明された。肝細胞のRho/kinaseは肝虚血再潅流傷害のターゲットとして有用と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Rho-kinase as a novel gene therapeutic target in treatment of cold ischemia/reperfusion-induced acute lethal liver injury: effect on hepatocellular NADPH oxidase system.2007

    • 著者名/発表者名
      Shiotani, S., et. al.
    • 雑誌名

      Cene Therapy 14(19)

      ページ: 1425-33

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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