研究概要 |
1.腎不全モデルの確立 150-200gのWister ratを用いて顕微鏡下に5/6nephrectomyを施行し腎不全モデルを作成した。術後のBUN,クレアチニンの変動を観察し、コントロールと比較し術後2-3週目に腎機能が低下していることを確認した。 2.腎不全が肝切除後の肝・腎に及ぼす影響 ラット70%肝切除モデルを習得、作成し、コントロール群と腎不全モデル群とでの肝切除後の、血液生化学検査およびサイトカインの変化、生存率、体重増加率につき検討をおこなった。肝切除後の生存率については、両者で有意差は認めなかったが、体重増加率に関しては腎不全モデルでの低下が見られた。また、血清アルブミンの低下が腎不全モデル群で顕著であった。 3.腎不全が肝阻血再潅流障害後の肝・腎に及ぼす影響 腎不全の有無による、肝阻血再灌流後の個体の生存率、および血清生化学検査による肝障害の程度の変化を比較検討した。60分の全肝阻血においては、両群で生存率に有意差は認めなかった。現在、虚血後の炎症性サイトカインの変化、および肝組織の免疫組織学的検討を行っている。
|