研究概要 |
平成18年度研究計画に沿って3項目の実験を行い、癌抑制遺伝子BAP1の脱ユビキチン化酵素としての生化学的機能解析を行った。 BAP1/BRCA1/BARD1三者複合体の形成の確認、細胞内局在の確認。 組換えタンパク質を作成し、プルダウンアッセイ、SPRによるIn-vitroでの結合形態を確認した。また培養細胞にて共発現させ、免疫沈降法にてIn-vivoによる結合形態も確認した。BAP1のミュータントを7種類作成し結合部位の同定を行った。細胞内局在を確認する為、現在共焦点レーザー顕微鏡を用いて現在解析中である。 BRCA1/BARD1の自己ユビキチン化に対するBAP1の影響の確認。 ユビキチンリガーゼであるBRCA1/BARD1の自己ユビキチン化にBAP1がどのような影響を及ぼすか解析した。組換えタンパク質を用いたIn-Vitroでの実験、培養細胞にて一過性共発現させたIn-Vivoでの実験を行った。BAP1がIn-Vivo,In-VitroどちらにおいてもBRCA1/BARD1の自己ユビキチン化に影響を及ぼす事が確認された。 BRCA1/BARD1のユビキチン化基質の安定性の確認。 BRCA1/BARD1がユビキチン化する基質タンパクについてBAP1が及ぼす影響を解析した。培養細胞にBAP1を一過性共発現させ数種類の基質タンパク質の半減期をPlus Chase法にて測定した。培養細胞内に一過性発現させたBAP1が既知の基質タンパク質の安定性を大きく左右することが解明された。
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