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2006 年度 実績報告書

プロテアソーム活性化分子PA28による癌細胞傷害メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 18790952
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

山野 武寿  独立行政法人理化学研究所, 免疫シャペロン研究チーム, 研究員 (90373381)

キーワードPA28 / プロテアソーム / カスパーゼ / IFNγ / IL-18
研究概要

癌細胞特異的にPA28αを高発現させることによりアポトーシスが誘導されることを既に確認していたため、アポトーシスPA28α高発現によるアポトーシス誘導メカニズムの詳細な検討を行った。始めにアポトーシス誘導の際に細胞内にて連鎖的に活性化することが知られているカスパーゼ分子群中のどの分子がPA28α高発現細胞内にて活性化されるのか検討した。その結果連鎖経路の最も下流のカスパーゼであるカスパーゼ3のみが特異的に活性化されていることを認めた。しかもこのカスパーゼ3活性化は細胞をプロテアソーム阻害剤にて処理することにより完全に阻害されたことから、PA28α高発現により細胞内に誘導されるPA28α結合型プロテアソーム(酵素)により直接前駆体カスパーゼ3が切断され活性化を受けることが示唆された。この仮説をin vitroにて検証するためPA28α結合型プロテアソームを精製しこれがリコンビナント前駆体カスパーゼ3を活性化するのか検討した。結果PA28α結合型プロテアソームは酵素活性依存性に前駆体カスバーゼ3を活性化出来た。即ちPA28α高発現細胞に誘導されるアポトーシスはPA28結合プロテアソームを介して誘導される全く新しい経路を介することが確認された。
さらにPA28αを誘導するサイトカインであるインターフェロン(IFNγ)はアポトーシスを引き起こさない。それはPA28αを誘導すると同時にプロテアソーム内の分子置換を誘導する為であることを明らかにした。またIL-18はIFNγと同様にPA28を誘導するがプロテアソーム内の分子置換を誘導しないため上記のメカニズムにてアポトーシスを引き起こすことを明らかにした。
現在IL-18並びにPA28依存性のアポトーシスが生体内の炎症・自己免疫疾患にどの様に関わっているのかマウスモデルを用い検討中である。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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