研究課題
LIGHTはTNF superfamily memberの一つであり、T cellsやNK cellsを活性化し、腫瘍免疫にとって重要なTh1サイトカインバランスを誘導する副刺激分子である。我々は、樹状細胞腫瘍細胞融合細胞ワクチン療法にLIGHTを応用して、より強い抗腫瘍効果の誘導を目的としている。今年度はマウス大腸癌細胞株CT26CL25にmurine LIGHT cDNAを挿入したpcDNA3.1(+)ベクターを導入した。まず、導入効率を確認するため、COS7 cellsにelectroporation法を用いて導入した後、anti-LIGHT抗体を用いてWestern Blottingを行ったところ、LIGHTの強発現が確認された。同様にCT26CL25への導入を試みたところ、やや弱いもののLIGHTの発現が認められた。さらに、LIGHT発現の細胞内の局在を確認するため、同じ抗体を用いて蛍光免疫染色を行ったところ、多くは細胞質内に発現し、細胞膜上への発現は少なかった。さらに、追試としてLIGHTのリガンドの一つであるLTβRとIgG1 Fcとの融合蛋白を用いてFlow cytometryを行い、細胞膜上への発現を検討した。陽性コントロールとしてマウス骨髄細胞から分化させた未成熟樹状細胞を用意した。未成熟樹状細胞は強および弱発現を含めて45.7%の細胞がLIGHT陽性であったが、LIGHT導入CT26CL25は14.6%にとどまった。腫瘍免疫へのLIGHT応用の際、副刺激分子として効率よく機能するには、細胞膜上へのより高い発現が理想的であり、今回作成したLIGHT導入CT26CL25クローンはLIGHTを強発現しているとは考えにくい。今後はより強くLIGHTを細胞膜上に発現したクローンを作成するべく、導入ベクターの改良やCT26CL25以外の腫瘍細胞株への導入を試行する方針である。
すべて 2006 その他
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Oncology Report 第16巻・第6号
ページ: 1317-1324
Kobe Journal of Medical Science 第52巻・第3-4号
ページ: 85-95
Cancer Immunology, Immunotherapy (in press)