LIGHTはTNF superfamily memberの一つであり、T cellsやNK cellsを活性化し、腫瘍免疫にとって重要なTh1サイトカインバランスを誘導する副刺激分子である。我々は、樹状細胞腫瘍細胞融合細胞ワクチン療法にLIGHTを応用して、より強い抗腫瘍効果の誘導を目的としている。今年度は昨年度に引き続きLIGHT導入マウス癌細胞樹立のためにmurine LIGHT cDNAを挿入した種々のベクターの導入を試みた。 pcDNA3.1(+)を用いたmurine LIGHT発現系では、細胞内ドメインであるC末端にFLAG導入を行なっているが、、COS7 cellsにFUGENE6を用いて一過性、強発現させた。その結果、抗FLAG抗体、抗LIGHT抗体両者を用いた検討とも、LIGHT発現の局在は、蛍光免疫染色法により大部分は細胞質内に発現し、細胞膜上への発現は少なかった。さらに、追試としてLIGHTのリガンドの一つであるLTβRとIgGl Fcとの融合蛋白を用いてFlow cytometryを行い、細胞膜上への発現を検討した。陽性コントロールのマウス未成熟樹状細胞では約50%の細胞が細胞表面のLIGHT陽性であったが、LIGHT導入COS7では細胞内での高い発現にも関わらず、細胞膜への発現はわずか1.2%にとどまった。そして、その最も大きな理由としてC末端のFLAG導入が原因と考えている。 腫瘍免疫へのLIGHT応用の際、副刺激分子として効率よく機能するには、細胞膜上へのより高い発現が理想的であり、そこで現在、native LIGHTを導入し、CMVとSV40両者のプロモーターとエンハンサーを有する改良ベクターを用いて、今後はより強くLIGHTを細胞膜上に発現したクローンを作成するべく、マウス大腸癌細胞CT26およびCT26CL25への導入を試行する方針である。
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