ヒト消化器癌細胞株を用い、プロテアソーム阻害薬、Bortezomibを使用したin vitroでの基礎的検討を行った。各種癌細胞株を用いた検討で、BortezomibはG2相における細胞周期停止状態への誘導、48-72時間での高いアポトーシス誘導能を示した。また、Bortezomibにて前処理することにより、各種癌細胞株でのdeathreceptorを介したTRAIL感受性が上がり、BortezomibとリコンビナントTRAILの併用による相乗的アポトーシス誘導効果が示された。同メカニズムの解析の結果、BortezomibによるTRAILレセプターDR5発現上昇に伴うCaspase-8の活性化、また細胞株によっては、主にMitochondria pathwayの活性化が認められたが、NFkB活性抑制の影響は部分的であった。結果詳細については、現在投稿準備中である。各種免疫エフェクター細胞でのTRAIL発現が認められることからも、Bortezomibと免疫治療併用の有効性が期待された。実際、Bortezomib感作癌細胞株におけるナチュラル・キラー細胞感受性の亢進が認められ、各種免疫エフェクター細胞に対する感受性への影響について更に検討を予定している。今後Bortezomibと免疫治療併用におけるマウス癌治療モデルを確立し、その有効性、in vivoでのメカニズムの解析を予定している。
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