1.我々は、erbB受容体ファミリーであるerbB2の非小細胞肺癌における役割についての理解を深めるためにerbB2遺伝子変異やコピー数の解析だけでなくerbB2受容体タンパクの機能解析を加えて研究を進めることにした。 2.外科的切除によって得られた肺癌組織から抽出したGenomic DNAを材料としてAppliedBiosystems 7500 Real-Time PCR SystemにてQuantitative Real-Time PCRを施行し、EGFRおよびerbB2遺伝子のコピー数を解析した。これまでに蓄積されたEGFR遺伝子変異の解析データにEGFRおよびerbB2遺伝子のコピー数の解析データを追加して臨床病理学的因子、ゲフィチニブ奏効性、生存などとの相関について検討した。これらの検討の結果については次ページの研究発表に記載されるように論文としてまとめた。 3.平成18年度はerbB2遺伝子変異の機能解析を行う準備としてerbB2遺伝子の変異型と野生型の2種類のDNAについてTA cloningを施行し、プラスミドDNAを精製した。平成19年度は変異型と野生型の2種類のインサートDNAを発現ベクターに乗せ換え、それらの発現ベクターを培養細胞にTransfectionし作製された変異型と野生型の2種類の肺癌細胞を用いてerbB2受容体タンパクの機能解析を行う予定である。
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