二次性全般化モデル確立のために、キンドリングモデルラットの作成した。ラットの扁桃体に電気刺激電極を留置したのち、1日1回電気刺激を行い、てんかんモデルを作成した。このときに、脳波測定用の電極を神経核の様々な部位(黒質、脚橋被蓋核、淡蒼球、視床前核、海馬など)に留置し、ビデオモニタリングmultichannel EEGを用いて、電気刺激した直後の後発射を測定した。視床下核、海馬におけるEEGにおいて強い発火を得ることができた。組織学的にも電極が目的の部位に穿刺されていることを確認した。淡蒼球や黒質では予想に反してほとんど脳波の変化を認めなかった。目的の黒質に電極がうまく穿刺できなかったことによると思われる。脚橋被蓋核での脳波測定では、部位が深部のために死亡率が高く安定した脳波を測定することができなかった。今後更なる検討が必要であると思われる。 脳波結果をもとに、視床前核に深部電気刺激電極(DBS)を挿入した。キンドリングモデルが完成した後に、視床下核を持続的に刺激を行った。扁桃体を一回刺激したあとのてんかんの強度を脳波および行動学的に評価した。視床前核をDBS中にキンドリング刺激を行うとけいれん発作の強さは著明に抑制された。同一動物において、DBSスイッチをオフにしてキンドリング刺激を行うと検査前と同様なけいれん発作の強さを得た。脳波において、脳表電極からの導出では、明らかにDBSによりけいれん波は抑制されていた。このことは、視床前核のDBSは二次性全搬化を抑制することができることを示した。その他の部位のDBSは、今年度は施行することができなかったが来年度に施行する予定である。
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