1)悪性グリオーマ術後に放射線療法を行なった患者3例を対象とし超高磁場MRIにて造影効果を認めた部位のFractional anisotropy(FA)値を算出した。FA値は、拡散テルソン画像を撮像しT1強調画像の造影効果部位に一致したROIを設定し算出した。症例1、2においては、造影された領域のFA値は全て0.2以上であった。症例3では、一部0.11と著明にFA値が低下している領域が存在した。術後の病理組織学的診断は、症例1、2では腫瘍再発であったが、症例3では腫瘍再発と放射線脳壊死の領域が混在していた。 2)髄膜腫症例、29例(男性6例、女性23例)、平均年齢55.7才、sphenoid ridge:5例、tentorium:5例、cerebellopontine angle:5例、convexity:4例、falx:3例、olfactory groove:3例、tuberculumsellae:2例、parasagitta1:2例を対象に、術前に超高磁場MRIを施行しFA値を算出した。FA値は、拡散テルソン画像を撮像しT1強調画像の造影効果部位に一致したROIを設定し算出した。髄膜腫硬度は、術中に吸引管、超音波メスにて容易に吸引除去できたものをSoft tumor、鋭的剥離を必要としたものをHardtumorと定義した。拡散テンソル画像より算出されたFA値は、Soft tumor(0.25±0.08)、Hardtumor(0.41±0.09)であり、両者間に統計学的有為差を認めた(p=0.003)。拡散テンソル画像より算出される髄膜腫のFA値を評価することにより、髄膜腫硬度を予測する事が示唆された。
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