研究概要 |
グリシン受容体のα3サブユニットのRNA編集の定量を行うために、グリシン受容体のクローンを作成し、キットを用いて1塩基を変異させたRNA編集の起こったクローンの作成を同時に行った。その後、そのクローンを用いて定量するための系を確立するべく作業を行った。まず、RNA編集部分を含むPCRプロダクトが産生されるようにプライマーの設計を行い、wildなクローンと編集の起こったクローンからそれぞれPCRプロダクトを作り出した。そのプロダクトを様々な割合で混合し、DHPLC,ダイレクトシークエンスの分析を行った。Allele specific TaqMan probeを用いた定量法に関してはABIのサポート部門に委託した。DHPLCは感度が約2%でピークが分かれたが、4つのピークに分かれる条件は見出せず、そのピークの分かれ方によってどちらがより多く含まれているかの特定は困難であった。定量系としては、誤差の問題はあるが、ほぼ満足のいく検量線を描くことが出来て十分使用可能と思われたが、先ほどと同様の理由でどちらが多く含まれているか、クローンのプロダクトを加えて再検するのがひっすであった。ダイレクトシークエンスにおいては感度5%で、Raw Dataのpeak amplitudeを比較することにより、ほぼ正確な定量系が完成した。5%以下が特定できないのと、コストがかかることが問題であった。Allele Specific TaqMan probeを用いる方法は感度を2%に上げるように測定系を調節すると定量系の誤差にやや問題が生じたがほぼ満足できる系が完成した。ダイレクトシークエンス、TaqManの結果を2006年アメリカニューロサイエンス学会で発表した。現在ラットにおいて脊髄坐滅モデルを作成し、その結果を検討中である。
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