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2006 年度 実績報告書

虚血性中枢神経障害の病態解明と好中球エラスターゼ阻害薬の効果に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 18791080
研究機関山口大学

研究代表者

平田 孝夫  山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40420533)

キーワード好中球エラスターゼ / 虚血性神経細胞死 / 海馬CA1 / 中枢神経
研究概要

1)虚血性神経細胞死に対するシベレスタットナトリウムの検討
本年度は,一過性前脳虚血モデル(両側内頸動脈遮断+脱血による低血圧(50mmHg))を用い虚血再潅流直後にシベレスタットナトリウム(5mg/kg,10mg/kg,30mg/kgをそれぞれ生理食塩水1mlに溶解)投与し,再潅流7日後の海馬CA1領域の生存神経細胞数/同週齢のラット神経細胞数比を計測し,その効果を検討した.コントロール群として再潅流直後に生理食塩水1mlの投与とした.コントロール群,シベレスタットナトリウム5mg/kg,10mg/kg,30mg/kg投与群における海馬CA1生存神経細胞数/同週齢ラット神経細胞数比はそれぞれ,3.5±3.1,34±18,63±11,32±11%でコントロール群と比べ投与群で有意に虚血性神経細胞死が抑制された.
2)好中球エラスターゼ活性
先の実験で虚血性神経細胞死に対するシベレスタットナトリウムの効果が大きかった群(10mg/kg投与群)における,虚血再潅流後の血中エラスターゼ活性を測定した.10mg/kg投与群では再潅流15分,30分,1時間,4時間,8時間で血中エラスターゼ活性はそれぞれ,0.8±1(0.8±1),2±1.5(0.7±0.9),1.6±0.6(4.5±1.4),0.1±0.3(0.02±0.05),0.5±0.7(0.2±0.2)×10nmol/ml/24hであった. ()はコントロール群における値を示す.
一過性脳虚血後の1時間までに好中球エラスターゼは活性化し,その後に活性を失うことが明らかとなった.さらに,シベレスタットナトリウムは虚血再潅流1時間以内の好中球エラスターゼ活性を有意に抑制し,神経細胞死を軽減させる可能性が示唆された.

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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