研究概要 |
平成19年度における研究成果は以下のとおりである。 これまでの研究でヒト血管内皮細胞HMEC-1を、マトリゲルのコーティングを施した培養皿へ散布すると一定の条件化で微小血管様のチューブ状構造を形成することが確認されており、この技術を応用し、さらにTGF-bの下流に存在し情報伝達作用を行うタンパクであるSmad群の作用に着目し、そのシグナル伝達を阻害するSMAD6,7を用いて膀胱線維化における血管内皮細胞の果たす役割の解明を試みた。まずSmad6,7タンパクを血管内皮細胞に強制発現させる技術の開発を行い、アデノウイルスベクターが有効であることが確認された。次にSmad6,7の血管内皮細胞に対する影響を確認する実験を行うた。本研究の条件下ではSmad6,7は血管内皮細胞の増殖を抑制することが確認された。またVEGF(血管内皮細胞成長因子)によって誘導される血管内皮細胞の遊走性はTGF-bにより阻害されることが従来より知られているが、Smad6,7はその作用を阻害することが確認された。
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