研究課題
若手研究(B)
2006、2007年度に、内分泌かく乱物質であるフタル酸エステル(DEHP:オリエンタル社)の投与濃度による精子形成への影響を観察した。また、精子形成障害に対するテトラヒドロビオプテリン(BH4:第一アスビオファーマ社)の治療効果を検討するために、BH4 の投与時期や投与方法、使用マウス種の条件検討をした。その結果、高DEHP 濃度(1.5%、1.0%DEHP)の長期間投与すると精巣にリンパ球浸潤が認められる事がわかった。また、低DEHP 濃度においてA/J マウスは感受性に個体差が少なかった。以上の結果から2008 年度は(1)A/J マウスに低濃度である0.5%DEHP 食餌とBH4 水(20mg/kg・BH4 を給水に混ぜ自由摂取)を同時投与し、投与後のBH4 の予防効果を組織学的に検討した。(2)A/J マウスに0.5%DEHP 暴露による精子形成障害後にBH4 水を1 週間与え、BH4 による障害に対する治療効果を組織学的に検討した。(1)および(2)の結果として、DEHP+BH4 水投与群およびDEHP のみ投与群を比較し、両群ともに肉眼的に変化はなかったが、(1)光学顕微鏡下ではDEHP 群に比べDEHP+BH4投与群は精細管内の細胞脱落および多少の精子形成障害の改善傾向を認めたが、有意差は得られなかった。(2)光学顕微鏡下ではDEHP 群に比べDEHP+BH4投与群は精細管内の細胞脱落の改善傾向を認めたが、有意差は得られなかった。今後、実験条件を改善する事で、DEHP 暴露による精子形成障害についてBH4が予防や治療効果を示す可能性があると思われる。
すべて 2008 2007
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