(1)CASを用いて凍結したマウス卵巣の生殖能力の検討。 Green Fluorescent Protein(GFP)を全身に発現するトランスジェニックマウスから卵巣を摘出、凍結する技術を確立した。また、1週間マイナス80度にて保存した後、融解し、野生型レシピエントマウスへ他家移植する技術もほぼ確立した。 (2)CASを用いて凍結したマウス卵子、顆粒膜細胞、莢膜細胞の細胞膜の形態的変化の検討。 CASを用いて凍結・融解した卵巣を透過型電子顕微鏡で観察する方法を検討中である。 (3)CASを用いて凍結・融解したマウス卵子のアクチン細胞骨格と微小管の観察。 CASを用いて凍結・融解した卵巣の切片を4%パラホルムアルデヒドで固定し、ファロイディンでアクチンを染色し、コンフォーカル顕微鏡で観察した。 凍結していないコントロールの卵巣と今のところ細胞骨格に違いを認めず、凍結の細胞骨格への影響は少ないと考えている。 (4)CASで凍結したマウス卵巣から顆粒膜細胞の分離、初代培養。 レシピエントマウスを過排卵処理したのち、屠殺、開腹し、卵管より顆粒膜細胞と卵を回収し、ピペットで顆粒膜細胞と卵を分離した後、遠心分離して顆粒膜細胞のみを回収することに成功した。今後はフローサイトメトリーでGFPが蛍光された顆粒膜細胞のみを回収し、血清を添加した培養液で初代培養する。すなわち、CASで凍結した顆粒膜細胞のみを回収する技術を確立中である。
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