マクロファージは微小環境によって、抗腫瘍活性を呈するM1マクロファージと腫瘍の増殖を促進するM2マクロファージに分化することが知られている。卵巣癌症例の腹水中では、interleukin(IL)-6、IL-10、Growth related oncogene-αが増加し、特にM2マクロファージが増加することでIL-6とIL-10を産生し、卵巣癌細胞の増殖を促進する環境の場を提供していることが示唆された。このことから、マクロファージのM2マクロファージへの分化が卵巣癌の播種進展機構に関与している可能性が考えられ、M2マクロファージへの分化に関わる因子の同定が卵巣癌の治療戦略のひとつと考えられる。
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