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2006 年度 実績報告書

難治性婦人科腫瘍に対する遺伝子治療の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18791168
研究機関自治医科大学

研究代表者

竹井 裕二  自治医科大学, 医学部, 助手 (00398520)

キーワード遺伝子 / 癌 / 婦人科 / 血管新生抑制 / ウィルスベクター
研究概要

我々は、予後不良とされる婦人科進行癌に対して、VEGFを標的とした遺伝子治療の研究をスタートさせた。用いた遺伝子は、VEGF受容体-1の可溶型で、VEGFのアンタゴニストとして作用するsoluble Flt-1(sFlt-1)である。また、sFlt-1を生体内で長期にわたり発現させるための手段として、筋肉等の正常細胞にも遺伝子導入可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを使用した。
本年度は、以下の成果が得られた。
1)sFlt-1発現AAVベクター(AAV-sFlt-1)の作製
AAV-sFlt-1、および、コントロールベクターのAAV-LacZを作製した。Iodixanolを使用した密度勾配超遠心法により精製し、ドットプロットハイブリダイゼーション法により力価を測定した。
2)卵巣癌腹膜播種モデルマウスに対する、AAV-sFlt-1の効果の検討
AAV-sFlt-1あるいはAAV-LacZをヌードマウス骨格筋に注射し、同時に、卵巣癌細胞株を腹腔内に接種した。その結果、腹膜播種がAAV-sFlt-1筋肉内投与群で有意に抑制された。なお、AAVベクターの血清型については、II型、V型、I型の順に効果を試したが、I型が最も強い腹膜播種抑制効果を発揮した。
3)sFlt-1の血管新生抑制作用以外の作用機序の検討
sFlt-1に、癌細胞の遊走抑制作用、浸潤抑制作用があるかどうかを各々、in vitro scratch wound healing assay、in vitro invasion assayにて行ったが、いずれもコントロールと差はなかった。
4)AAV-sFlt-1の有害事象の検討
AAV-sFlt-1あるいはAAV-LacZを筋肉内投与したヌードマウスの体重変化、創傷治癒過程に差はなかった。また、同マウスから採血し、血算、腎機能、肝機能、電解質を測定したが、これらも両群間に差がなかった。以上、検討した項目においては、AAV-sFlt-1の有害事象は認められなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Suppression of ovarian cancer by muscle-mediated expression of soluble VEGFR-1/Flt-1 using adeno-associated virus serotype 1-derived vector.2007

    • 著者名/発表者名
      Takei Y.
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer 120(2)

      ページ: 278-284

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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