口蓋扁桃におけるBcl-6発現の検討 対象は腎生検にて確定診断され、扁桃摘出術を受けたIgA腎症患者および非IgA腎症患者(慢性扁桃炎、扁桃肥大)である。これまでに手術的に得られた口蓋扁桃が保存されており、これらを用いて実験を行った。なお、患者からこれらの扁桃組織に関して手術前に採取組織の研究使用に対する同意書を得ている。 まず、扁桃組織のパラフィン包埋ブロックを薄切し、スライドグラスを作成。免疫組織化学染色を施行。IgA腎症患者と非IgA腎症患者の口蓋扁桃においてBcl-6の発現に差がないかを検討した。結果的には複数の抗体を用いて検討しても有意な差は認めなかった。同時に、Bcl-6の関連蛋白であるBcl-2 oncogeneの発現も検討したが、IgA腎症患者の口蓋扁桃では非IgA腎症患者の口蓋扁桃よりも有意にBcl-2蛋白の発現が強く認められた。これが扁桃組織のアポトーシスや抗体産生に影響を与える可能性につき引き続き検討する。
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