1)Bra12/Hapln4改変マウスにおけるプロテオグリカンへの影響 Bra12/Hapln4を欠損することで、会合体を形成すると考えるコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)であるプレビカンがPNNに存在し得るかどうかを免疫組織繊学的手法によって解析した。その結果、ブレビカンはBra12/Hapln4発現がみられるほぼ全ての神経核でdiffuseになり、PNNパターンが破壊されていることが分かった。また、同時にその他PNNに存在するアグリカンに関して詳細に解析した。その結果、聴覚伝導路に存在する神経核を中心に発現パターンに異常が見られた。また、その異常は、同じ神経核でもある特定の神経細胞にのみみられることがわかった。 2)Bra12/Hapln4改変マウスにおけるCrtl1/Hapln1による補償 Bra12/Hapln4改変マウスおいて、他のLP分子、Crtl1/Hapln1による補償がおこっているかどうかの検討をおこなった。脳におけるCrtl1/Mapln1は、認識可能な抗体がないためか、今まで詳細な局在は明らかになっていなかった。今回、Crtl1/Hapln1を認識するための抗体及び条件を設定し、その局在を詳細に調べた。Bra12/Hapln4改変マウスにおいては、Crtl1/Hapln1による補償はおこっていないことがわかった。 3)Bra1改変マスにおけるECS(細胞外スペース)の測定 聴覚伝導路において、Bra12を含むCSPG複合体は、その陰性荷電した分子の性質から、シナプス伝達のイオン環境を整えることで神経機能に寄与している可能性が考えられる。その指標の一つとしてECSの測定を試みた。まず、分子構成が比較的単純であるランビエ絞輪に存在するBral1欠損マウスを用い、プロテカグリカンの変化によってECSが変化しているかどうかを測定した。微細な変化は認められたが、今後更に詳細な測定が必要である。
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