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2007 年度 実績報告書

アルドース還元酵素阻害剤による線維芽細胞増殖因子の発現調節と糖白内障の再透明化

研究課題

研究課題/領域番号 18791265
研究機関福井大学

研究代表者

高村 佳弘  福井大学, 医学部, 助教 (00283193)

キーワード塩基性線維芽細胞増殖因子 / 糖白内障 / アルドース還元酵素 / アルドース還元酵素阻害剤 / 水晶体上皮細胞
研究概要

Sprague Dawley(SD)ラットに50%ガラクトース含有食を経口投与、もしくはストレプトゾトシン(STZ)を80mg/kgで腹腔内投与することで糖白内障動物モデルを作製した。上皮細胞の多層化領域が形成される時期にbFGFの発現が蛋白、mRNAレベルにて上昇し、アルドース還元酵素阻害剤(ARI)の同時投与により、上皮の多層化、皮質の液化、bFGFの発現上昇はそれぞれ抑制された。bFGFの発現は、免疫組織染色の結果、多層化領域に強く発現が見られた。
bFGFの発現上昇により、線維細胞への分化の可能性が考えられたが、マーカーであるβクリスタリンの発現が見られなかった事から、bFGFの発現が上昇して上皮は多層化しても線維細胞への分化は起きないことが示唆された。弓状部において線維細胞への分化が促進されたかどうか、トリチウムを前房内に投与しマーキングされた細胞の移動距離を計測した所、ガラクトース群、コントロール群、ARI投与群の間に有意な差は無かった。よってbFGFの発現上昇により、上皮細胞の増殖、遊走は惹起されたが、分化は影響されなかった事が明らかとなった。
ラット水晶体上皮細胞を、5mMないしは30mM高ガラクトースを含んだ培養液で培養したところ、上皮の多層化やbFGFの発現上昇は見られなかった。しかし、bFGFを含んだ培養液で培養したところ、上皮は多層化した。よって糖負荷により直接的にbFGFの発現が上昇したとは考えにくく、皮質の液化が要因であると考えられた。ARIは、皮質の液化を抑制することでbFGFの発現を抑制したと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ラット糖白内障における水晶体上皮の動態と塩基性線維芽細胞増殖因子との関連2007

    • 著者名/発表者名
      高村 佳弘
    • 雑誌名

      日本眼科学会雑誌 111

      ページ: 712

  • [学会発表] Dynamics of rat lens epithelial cells in sugar cataractogenesis.2007

    • 著者名/発表者名
      高村 佳弘
    • 学会等名
      US-Japan cooperative cataract research meeting
    • 発表場所
      米国 ハワイ州 コナ島
    • 年月日
      2007-12-02
  • [学会発表] ラット糖白内障における水晶体上皮の動態と塩基性線維芽細胞増殖因子との関連2007

    • 著者名/発表者名
      高村 佳弘
    • 学会等名
      白内障学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2007-06-29

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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