C57BL/6(n=10)に1NNaOHを点眼した。一定期間後、眼球を摘出しパラフィン切片を作成した。形態学的観察のためヘマトキシリン・エオジン染色をおこなった。 mPGES-1、cPGES、COX2、NF kappa B(p65/RelA)、VEGFの局在に関して免疫組織化学的に検討した。正常眼ではcPGESの発現はみられたが、mPGES-1、COX2、NF kappa B、VEGFの発現はみられなかった。アルカリ外傷後5日及び10日で角膜上皮及び実質細胞でmPGES-1、COX2、NF kappa B(p65/RelA)、VEGFの発現がみられ、NF kappa B(p65/RelA)の核内移行もみられた。アルカリ外傷後では角膜上皮及び実質細胞でmPGES-1、COX2、VEGFが発現しNF kappa B(p65/RelA)の核内移行が生じていた。mPGES-1はCOX2と協調して働くといわれており、アルカリ外傷後の消炎にmPGES-1を標的とした治療方法の可能性が考えられる。 また、PPARγのアゴニストであるPGJ2を同様のモデルに点眼するとNFkBの核内移行はよくせいされた。PPARγの活性化は角膜アルカリ外傷での炎症沈静化に有用である可能性が示唆された。
|